全国公募 美術団体

第3回新平成Web美術展

今回中止となりました、第19回新平成美術展/第13回「The とき」展の全作品をWebにて公開いたします。不測の状況下でも表現し続ける作家たちの想いを、少しでも感じていただければ幸いです。[会長/早川皓章]

会期:2021年5月23日〜8月22日

  • 第19回新平成美術展 作品一覧
  • 第13回「The とき」展 作品一覧

  • 美術評論家 佃 堅輔
    第19回新平成美術展。今年も急きょ開催不可能となった。審査はしたものの、作品は展示されることはない。Web展での公開である。まさに芸術家も団体展も試練の時である。団体展の在りようも、従来の形態を改革せざるを得なくなってきた。戦前、戦後と10年1日のごとく変わらぬ美術団体は、思えば異常だったと言えるかも知れない。

    「第19回新平成美術展」 ▶The とき展はこちらへ
    < 主な作品講評 >(順不同)
    【 委員 】

    • 早川皓章「静寂の刻(摩崖仏)」(P300)
      岩肌に彫り込まれた仏たちの像は、当時の信仰の厚さを物語る、厄難、厄病。現代も同じである。茶褐色の主調色に滲み出る重厚な作品の精神性。画家の新たな内面的、アクチュアルなモティーフを見る。大作。
    • 上田酔潮「海よ雲よ太陽よ」(F60)
      遥かかなたの水平線上の雲間に輝く太陽。その染まりゆく雲の茜色は、海面をも染める。穏やかな海は絶え間なく海辺に向かって白く波立つ。まさしく悠久なる大自然。リアルな描写が深まってゆく。
    • 稲越泉美「仲良し」(F50)
      草原には名もなき白い小さな花々が咲き、一枚の絨毯。二人の女の子供が、その絨毯に座わり、楽しく話し合っている。洗練された日本画の表現は爽やか。
    • 斎藤由比「シークレットガーデン かくれんぼ」(F80)
      色とりどりの花が咲き、樹々が茂るガーデンは、入り込むものの姿を包み隠し、格好のかくれんぼの場所となる。メルヘンのような楽しいイメージ。個々のものを巧みに描き切る表現技法が際立つ。
    • 坂本茂子「アマルフィーⅡ」(F50)
      アマルフィーはイタリア南部。青い海、海辺の崖を背にした白い家々、青緑色の山なみ。風光明媚なこの光景を、まとまりのある構図に収め、丹念に描く。
    • 佐藤地英「COVIDー19の年」(F50)
      コロナは英語でと呼ばれる。もっともアクチュアルなテーマ。ウィルスは、しぶとく形を変えながら生き続ける。描かれた青い顔は、コロナ惨禍に憔悴し切った人間であろうか。
    • 山田玉翔「春寒」(F60)
      伝統的な水墨画。春とはいえ名のみの寒さ。山中の地面の雪は、いまだ溶けないが、地面からわずかに黒っぽい土があらわれている。遠景の林は雪。墨の濃淡の味わい。
    • 和田京子「想う」(F30)
      一点を見つめる女性が、白いワンピース姿で室内に座っている。その想いの表情と、衣服の質感を的確にとらえるデッサン力。室内の黒っぽいカーテン、床の色など、配色に工夫をこらしている。
    • 伊東房枝「ときは5月」(F50)
      5月は新緑の美しい季節。鏡面のような小さな川辺に、新緑の大小の樹々が、相似形のように映っている。樹々に射す光による明るさと影で、単調になりやすい緑ひと色に深みのアクセントをつける。
    • 木下秀明「砂の海」(F60)「奨励賞」
      砂丘であろうか、砂浜であろうか。広がりゆく風紋の曲線模様のなかに、横たわる多くの女性のなまめかしい裸体像が見出される。シュルレアルな砂の海の光景の面白さ。
    • 坂本喜義「水都憧憬(すいとどうけい)」(F80)「特選」
      画家の好んで描き続けるヴェニス。水の都への憧憬は強い。運河のそばに立つ建築物の持つ窓枠の整合的な縦の構成と色どりの旗、ゴンドラを、真横から描き、安定した画面に水の都の雰囲気を伝える。
    • 鮫島直子「華麗なる協演」(F100)「新平成美術大賞」
      これまでさまざまな人物像が試みられてきたが、今回は二人の裸体のダンサーを取り上げている。両腕をのばし、体を曲げ、ダイナミックにリズミカルに踊る光景に弾みつけるのは、バックの空間を形づくる円状の線。計算された絵画構成。
    • 中村孝一「月の湖」(F80)「奨励賞」
      異次元のシュールなイメージが、観者に強く印象づける。仮面の男女。湖の上空に浮かぶのは、幾つもの球体のような青や赤などの月。夢なのか。人間の潜在意識の視覚化なのか。
    • 舟津美行「山間の流れ」(F50)
      滝となって流れる水を支える周囲の重なり合う岩々。上方の岩間に立つ色づいた樹々を通して眺望される遠い山なみ。塗り込めた画面から、晩秋の情趣をリアルに感じとらせる。
    • 山口博「やすらぎの午後」(F50)「特選」
      透明水彩の確かな技法による描写。得意とする渓谷の静かな午後の風景。樹々のあいだの木漏れ陽が、若葉を明るく水面に映し出し、岩々の量感にも光の効果。風景にやすらぎを感じる。

    「第19回新平成美術展」30号~300号/順不同
    【 委員 / 審査員 】

    静寂の刻(摩崖仏) P300
    早川 皓章

    淀み流れるⅢ
    早川 皓章 P100

    淀み流れるⅣ M100
    早川 皓章

    海よ雲よ太陽よ F60
    上田 酔潮

    白いステージ F60
    上田 酔潮

    仲良し 日本画 F50
    稲越 泉美

    華観音 日本画
    稲越 泉美 変80

    希望の花束 日本画
    稲越 泉美 M50

    シークレットガーデン F80
    斎藤 由比

    キャトルルージュ
    斎藤 由比 F30

    アマルフィーⅠ F80
    坂本 茂子

    アマルフィーⅡ F50
    坂本 茂子

    Lavie(人生)
    佐藤 地英 F50

    COVIDー19の年
    佐藤 地英 F50

    春寒 水墨 F60
    山田 玉翔

    秋保(アキウ) 水墨 F50
    山田 玉翔

    ジャンプ F80
    和田 京子

    想う F30
    和田 京子

    【 委員 】

    「奨励賞」砂の海 F60
    木下 秀明

    御輿来の海(オコシキノウミ)
    木下 秀明 F50

    妖湖Ⅱ M60
    木下 秀明

    「特選」水都憧憬(スイトドウケイ)
    坂本 喜義 F80

    ときは5月 F50
    伊東 房枝

    「新平成美術大賞」
    華麗なる協演
    鮫島 直子 F100

    夢への誘い S80
    鮫島 直子

    風に舞う S60
    鮫島 直子

    「奨励賞」月の湖
    中村 孝一 F80

    休日(春・秋) F80
    中村 孝一

    山間の流れ F50
    舟津 美行

    「特選」山口 博 水彩
    やすらぎの午後 F50

    残照(初島にて)
    山口 博 F50 水彩

    滝の音響く F60
    山口 博 水彩

     

    【 会員 】

    • 植田田鶴子「裸婦」(F30)「東美賞」
      座わり、横向きの裸婦のポーズ。顔から肩、腕、そして脚へと至る身体の線の流れにポイントを置く。
    • 小山田邦子「グランマの想い」(F50)「会員優秀賞」
      忘れられてしまった古いミシンと横倒しになった人台(ボディー)。着想のユニークさと濃密な色調。祖母の想い出。
    • 折羽博行「帰航」(P30)
      黒々とした海の遥かかなたに富士らしき山が、空一面に拡がる茜色に染まる。帰航を実感させる静かな風景を描き出す。
    • 田中篤「雲の峰」(F50)「東美賞」
      雲の峰に向かって歩いてゆく三頭の牛。手堅く自然対象に迫ってゆく落ちつきある画面。画家の感性。
    • 丸山利夫「朽ちゆく」(F50)
      切られた樹木の朽ちゆく姿は、虚しく消えゆく生命。晩秋の詩情が、ことさらそのことを感じさせる。
    • 齋藤諒「那須岳 早春」(F140 水彩)
      広々と広がる田畠の向うには、暗緑色の低い山なみがのび、かなたにそびえる雪の連山、それに対応するかのような雲の形の面白さ。春という気象変化を眼差しがとらえる。
    • 菅原清美「どこかのドア」(P100)
      ドアの外では、魚が泳ぎ、街の家々や小鳥が飛ぶ。ドアの内からは、雲が上昇する春のヨーロッパ的な風景。風景のユニークなダブルイメージ。
    • 松尾江美子「LIFEーGOーROUND」(特60)「クリテック賞」
      人生はメリーゴーランドのごとく回ってゆく。さまざまな人間たちのなかで、沈思する少女がいる。メルヘン風な画面は、生のメタファーの光景である。
    • 松下三省「海食洞2(玉川洞)」(F120)
      富山在住の画家が描く裏日本海。太古から変わらぬようなスケールの大きい海辺の風景は、郷愁の感情を呼び起こす。
    • 平井栄枝「ガースベイク城」(F50)
      青い屋根のレンガ色の古城。幾何学的とも言える緑濃い庭園。その美に魅せられて丹念に描く。実在の風景だが、絵本の絵のよう。
    • 八尾保廣「北の雪映え」(F30水墨)
      雪に凍てつく樹々の枝を画面に大きく配置し、背景は薄墨の滲みのぼかし。雪景の描出に、墨の濃淡による表現が活きる。

     

    野毛の大道芸 P50
    植田田 鶴子

    サロンにて P50
    植田 田鶴子

    三姉妹 F30
    植田 田鶴子

    「東美賞」 裸婦 F30
    植田 田鶴子

    ゆうやけこやけ
    (佐渡三角屋にて)
    植田 田鶴子 P60

    「会員優秀賞」
    グランマの想い
    小山田邦子 F50

    一隅 F50
    小山田 邦子

    帰航 P30
    折羽 博行

    那須岳 早春 水彩
    齋藤 諒 F140

    男体山 春 日本画
    齋藤 諒 F110

    どこかのドア P100
    菅原 清美

    「東美賞」雲の峰 F50
    田中 篤

    朽ちゆく F50
    丸山 利夫

    北の雪映え 水墨 F30
    八尾 保廣

    「クリテック賞」松尾 江美子
    LIFE-GO-ROUND 特60

    「奨励賞」No ThemeⅡ
    松尾 江美子 F50

    ガースベイク城 F50
    平井 栄枝

    海食洞1(呼鳥門) F120
    松下 三省

    海食洞2(玉川洞) F120
    松下 三省

     

    【 会友 】

    • 梅室政司「海の見える丘(東金市山王台)」(F50)
      東金市は千葉県。丘から見える海は九十九里のあたりであろう。グランドや無数の家々が、びっしりと立ち並び、遥か水平線に向かって点状に広がる。風景のパースペクティブ。
    • 福井良一「武甲山麓」(F50)「会友奨励賞」
      切り崩された山肌に線状の残雪。セメント工場の煙が立ちのぼる山麓風景は、くっきりした輪郭を形づくり、明るい色調の快い印象を抱かせる。

     

    海の見える丘(東金市山王台)
    梅室 政司 F50

    雪の降るかえり道 M30
    宮地 克美

    「会友奨励賞」武甲山麓 F50
    福井 良一

    カサブランカ F50
    福井 良一

     

    【 一般 】

    • 塚田政子「夢の中へ」(F50)「トークロ賞」
      夢は、さながらメルヘンの舞台のようだ。人形、ネコ、トランプ、赤いバラ。夢の主人公、人形が物語る夢の楽しさ。

     

    「トークロ賞」夢の中へ
    塚田 政子 F50

    未来に繋がる F30
    加瀬 雅世

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    ・種類表記のないものは、油彩画です。
    ・作品の配置について:出品番号順をベースに、編集の都合上、適宜順不同となっています。ご了承ください。
    ・作品画像は、お使いのモニター設定、照明等により、実際のものとは色合いが多少異なる場合があります。

    ▶Web展監修:早川 皓章/ 編集委員:小山田 邦子/ 事務局:木下 秀明